認知症(痴呆症)になりにくい職種
元会社員でも営業系は認知症になりにくい
認知症(痴呆症)になりやすい職種では、事務職だった元会社員は認知症になりやすいことを紹介しました。ここでは、逆に認知症になりにくい職種を挙げてみましょう。

事務系でなく営業系だった人は、認知症になりにくいようです。
営業活動では、脳の色々な部分を使うことが必要であるからです。会社の商品やサービスを顧客に売り込むためには、他の営業マンや他社に負けない企画を練り、あの手この手を使って交渉して成果に結びつけなくてはなりません。有能な営業マンは、高いプレゼンテーション能力を持つと言われています。
また、時には営業とは直接関係のない方法で顧客にアプローチし、気持ちをつかむような手法も要求されるようです。成約に結び付きそうなタイミングを見計らって、最終的にクロージング(顧客に決断をしてもらうこと)をかけなくてはなりませんから、頭の中はいろいろな計算をし続け、相手の気持ちのわずかな動きも見逃さない緊張感を持続し、脳を活性化させているわけです。
創造的な職種や人づきあいの技術も認知症の予防になる

営業マンが認知症になりにくい理由として、仕事の内容そのものだけでなく、仕事に関連して人づきあいが得意であることが考えられます。初対面の人とも臆することなく話ができたり、相手のペースにも合わせながら上手に付き合ったりすることができるのです。
在職中に営業を通じて多くの人脈を築いていることに加え、定年後も地域にとけ込んで、孤立することなく暮らしていけるようです。人脈があれば、仕事から離れても家の中に閉じこもる暇はなく、多くの仲間との楽しい余生を過ごしていくことができるので、認知症のリスクはかなり少なくなることでしょう。
広報や宣伝の職種も認知症になりにくい
会社の中で人脈を生かす職種は、他にもあります。それは、広報や宣伝の仕事です。

商品やサービスの売れ行きを大きく左右するのがこの部門ですから、常に斬新で新しいアイデアを求め、創造的な仕事をしていくことになります。
ひとつのプランを完成させるためには多くの人との付き合いが必要であり、互いに刺激を受けながら脳をフル回転させるわけです。企画したプランが完成したときの達成感は非常に大きなものですし、同じ仕事を繰り返すことはまずないので、脳の色々な部分を駆使してどんどん新しい企画を練っていくことになります。
そして、そのような経験や人脈を生かして、定年後は自分で起業して会社の経営を行うこともあるようです。余生をのんびり過ごすのではなく、現役の頃と同程度の、時にはそれ以上の緊張感や意欲を持ち続けることになりますから、認知症になる理由がないと言っても過言ではないでしょう。